島田観光専門家の講演会

2017/10/2

訪日観光客2400万人を超えた日本の観光努力をドミニカ共和国で活かす!=ドミニカ共和国の観光の魅力をアップ ! =

 

 
  島田始専門家は,2017年9月18日~23日の間サント・ドミンゴにおいて,UNAPEC大学,及び旅行・観光会社協会主催で「5年で訪日観光客を600万人から2400万人に増やした日本の観光努力をドミニカ共和国で活かす!」(ドミニカ共和国の観光の魅力のアップ!)と題する講演を行った他,テレビ番組UNO MAS UNO等へ出演されるなど,活発な活動をされました。そのプレゼンテーション内容はドミニカ共和国でも活用可能な貴重なアイデアと考えられますので,主な島田専門家の発言を紹介します。 
 
 島田専門家は,70年代から80年代に広く若者に人気の出た「anan」や80年代には「Hanako」等の雑誌を創刊されました。近年は多くの大学で教鞭を執りながら、流行仕掛け研究所代表として「ティラミス」(ケーキ)や「アウトレット」など多くのブームを作り出したり、多くの都道府県や諸外国の観光・食文化などの顧問等を務めておられます。
 
【ポイント】
●観光振興には三種類の人材が必要
●各国の強みと個性を探し,観光客の欲しいものに変えていく努力が必要
●食は訪問動機の一つ。如何に現地来て堪能して貰うかがカギ
●観光資源は外国人から教わることが多い。各国観光客の好みの研究も重要
●スマートフォンを利用した演出の可能性
 
1.観光振興のための3種類の人材と3要素
(1)3種の人材
 観光振興には三種類の人材が必要。大分の湯布院を一大観光地に発展させた裏にはこれらの人材の存在があった。
  (1)「ほら吹き」のような奇想天外なアイデアを出す人がいること,及びそのようなアイデアの存在。皆から褒められるようなアイデアに将来性はない。
 (2)アイデアを行政等に繋ぐコーディネーター
 (3)広くマスコミを通じて知らしめ得る人材
この三者が必要で、それを支持する行政の存在も重要。湯布院町の場合は,この三者を同町負担でドイツの温泉街バーデンに視察派遣した点が凄い。
 
(2)3つの要素
観光で重要な要素として,先ずは,そこの住民が快適に住んでいること,そしてその土地に来やすい環境をつくることがある。具体的には,
(1)衛生的なトイレ(特に女性は衛生的なトイレが無いと来ない),
(2)容易なお金の換金とカード利用が出来ること,
(3)英語,中国語,スペイン語等の外国語表示が有ること,
街に公衆トイレを設置するとその維持だけで年間1千万円以上かかるが,綺麗な喫茶店等を開いてもらいコーヒーやケーキ等を提供してもらう他,トイレも貸してもらえるようにすること等が効果的。お金の面では,どこでも換金が出来,カードが利用できることが大事。言葉では,英語やその他の言語での標識やパンフレット等整備する必要がある。
 
2.何が観光資源か?これからの観光資源は何か?
(1)ドミニカ共和国がミニ日本,ミニ・スペイン等になっても意味はない。国の強みと個性を探し,良いものに満足せず,観光客が欲しいものに変えていく努力が必要。また,知ってもらいたいとの欲求も重要。現在の日本では農業,漁業,医療,福祉,工業など殆どのものが観光(学び)の対象となっている。
 
(2)観光資源には,日本人が気づかず,外国人観光客が探して教えてくれたものが非常に多い。日本食,アニメ,日本映画などに関心があって日本への旅行に来て,例えば,渋谷のスクランブル交差点を見てビックリし,同交差点が一大観光スポットの一つになっている。案山子のある田舎の村,地獄谷野猿公苑も外国人が教えてくれた観光スポットで,日本国内には日本人が気づかなかったスポットが沢山有る。つまり,猿の温泉のように外国にはない独特なものの存在,他国とは違う,差別化する努力が必要。
その意味で,現在ドミニカ共和国でJICAが行っている一村一品運動は,日本の観光発展の要因の一つであり,非常によい運動だ。
 
(3)観光促進には観光客の好奇心を煽る起爆剤が必要。キリスト教徒の少ない日本のハロウィンには世界の多くの観光客が訪問し,仮装して参加しており,今では日本の大きなイベントになっている。ドミニカ共和国も秋頃,メレンゲやバチャータの祭典を実施して,これを起爆剤として世界の観光客を呼ぶことは十分できる。観光客には,これをしたいという欲求や目的があるので,これらに具体的に応えることが重要。
 
(4)観光客は基本的にわがままである。また,国毎に好みが異なるので,各国観光客の好み,嗜好等をよく研究すべし。また,自分は何を提供できるか,そのために自分の魅力を発見することが重要。例えば,各国民によって好きな色が異なるが,中国人の場合は国旗にもある赤が好きである。しかし,赤は赤でも中国人が好むのは紅の赤で,この紅を利用することで中国人の心を掴むことが出来る。他の国の観光客についても同様に考えると,効果的だ。
 
(5)シャネルNo.5(香水)は100年近い間に合計で34回香りが変わり,現在の香りは当初の香りと異なる。観光も,食事を含めて常に変革・変化していくべき。
 
 
3.各国独特の食べ物が最高の観光資源
 アンケートによれば外国人観光客の8割は本場の日本食を食べることが旅行目的の一つ。外国の寿司には日本の伝統的な寿司とは大きく異なる新しい形の寿司が多い。外国ではこれが受け入れられ,外国人の日本への関心の的となっている。外国の寿司には,飽くなき伝統の変革の連続が感じられる。外国で新しい日本食を食してから,日本へ行ってみたいという感情が生まれている(日本の伝統への誘導)。他の外国に無くて,その国の現地で必ず消費するものは食事。日本でドミニカ料理を食べて,ドミニカ共和国へ行ってみたいと感じて貰うことも重要。
 
 
4.コーヒーやココアを一つの文化として提供することが重要
(1)美しい海,山,湖等は世界のどこにでもある。これだけでは人は来ない。カリブ海という地域枠の中でのドミニカ(共)の個性(独自性)を探し,伸ばすことが重要。例えば、この国の優れたファッションや食事を伸ばす等。コーヒー,カカオ,ファッション,音楽,踊り等々沢山の優れた観光資源がある。これを現地で楽しんで貰うために如何なる知恵を出すかが重要。
 
(2)コーヒー,カカオを輸出するのみでは,外国でも飲めるので観光客は来ない。ドミニカ(共)でのコーヒーやココアの独特の飲み方の文化を創り,提供することにより観光客が来る(日本風景の中で味わう茶の湯)。米国のシアトルにはスターバックス一号店がある。そこで飲むコーヒーは一つの文化を感じさせてくれ,この一号店を訪問する観光客が多い。従って,各国のスターバックスへの訪問客も多くなっていった。
 例えば,ドミニカ(共)の白浜の椰子の木の木陰でゆっくり青い海を見ながらドミニカ有機コーヒーをどのように飲ませるか,ということである。
 英国の高級ホテルでは,ドミニカ(共)の高級カカオを使ったカラフルで品のあるチョコレート(英国の有名デザイナーによるバック、傘、靴、コートを模した各色のチョコレート・セット)をサーブしてアフタヌーン・ティーを売り物にしており,三年先まで予約で一杯というところもある。
 
 
5.将来はeスポーツが伸びる。従来のスポーツも大きく形を変える!?
(1)スポーツも大きな観光資源。特に,リオデジャネイロ・オリンピックの行事として行われたeスポーツが今後更に重要となる。今では,e-スポーツのアスリートに与える査証もあるほど世界(日本)でスポーツとして認知されている。更に今後は,AIとAIが競うスポーツ,AIと人間が競うスポーツ,また,ボルダリング等の新しいスポーツが生まれることも念頭に置くべし。(e-スポーツは大手企業が資金を投入している)
 
(2)同じスポーツでも, 例えば,サッカー場でスマートフォンを利用して食べ物・飲み物を注文し客席までデリバリーしてくれる,スマートフォンを通じてゴールキーパーやフォワードの選手の目線でサッカー観戦ができるようにもなっている。つまり,外国や自宅でのTV観戦ではなく,現場に来てもらって観戦してもらうということが重要。
 
 
6.観光に関わる政府の役割と2020年オリンピック
(1)観光面では政府,地方,民間等各セクターですべきことがある。政府は,査証発給の簡易化,免税品の拡大,民泊推進,ゴミ箱設置等多くの事業等を実施。
 
(2)今後日本政府は2020年のオリンピックを目指し,毎年4000万人の外国人観光客の訪問を目的としており,そのために観光客の地方都市への分散,車両・運転手などの移動手段の拡充,民泊等の法整備、地方文化の振興等を考えている。